本州日本海側に記録的な豪雪をもたらす原因となるJPCZ。
その再現を目指し、風の数値シミュレーションを試みる。
下図は空間3次元(X-Y-Z)モデルの計算結果。
凡例で示した数値(0~0.6)は無次元化した風速値。
1.フルード数とJPCZ
まずはフルード数Fiが収束ラインに及ぼす影響を調べる。
北と西から西北西の風を入れ、上空に強い寒気場を作成。
風速のみを変え、一定経過時間後の結果を比較した。
<Fi = 0.65(里雪型の気圧場を想定)の場合>
日本海に収束ラインが形成され、鳥取県付近を指向。
<Fi = 1.50(山雪型の気圧場を想定)の場合>
日本海の収束ラインは不明瞭となった。
2.白頭山とJPCZ
次に白頭山の有無が収束ラインに及ぼす影響を調べる。
初期値で入れる風向と寒気場は上記と同じ。
ただし白頭山なしの場合は、大陸側の標高を800m面で水平にカットしてある。
Fi = 0.90とし、一定経過時間後の結果を比較した。
<白頭山ありの場合>
日本海に収束ラインが形成され、北陸地方付近を指向。
<白頭山なしの場合>
日本海の収束ラインは不明瞭となった。
3.JPCZの時間変化
最後に、風の収束ラインの時間変化傾向を調べる。
初期値で入れる風向と寒気場は上記と同じ。
今度はFi = 0.80とし、時間ステップは5時間ごとに20時間後までを表示した。
時間の経過とともに、次第に石川県の能登半島付近へ向けて風の収束ラインが伸びていく。